AIRA Rock oN Lab.所長 ACID渋谷がによるTR-8のテクニカルレビュー!
Roland AIRAシリーズ中 最も注目度が高いと言っても過言ではない、808 + 909 + α のライブリズムマシンTR-8の基本から応用まで、ハンズオンレビューをお届けします!
遂に登場AIRAシリーズ!
約30年に渡るダンスミュージックの歴史を再び塗り替えるか!
〜AIRA Rock oN Lab.所長ACID渋谷による徹底レビュー!〜
1:オリジナルを踏襲!TR-808/TR-909のサウンドを完全再現
TR-8のサウンドキットはTR-808/TR-909の全てのサウンド。もちろんユーザーによるオリジナルキットの作成も可能だ。
オリジナル回路を部品からモデリングしたACBテクノロジーによる本家サウンドは伊達じゃない!TR-808のベースドラムはピークが50Hzに存在していた為、ラージスピーカーでなければ美味しい部分が拾えなかったが、それはTR-8でも同様。
サウンドシステムで鳴らしたい圧倒的な低域の量感とアタックを備えている。808のベースドラムと言えば、私が真っ先に重い浮かべるのはマイアミベースのロングディケイのベースドラム。このサウンドは当時TR-808内部のあるコンデンサーの常数を変更するという改造で得られていたサウンドだったが、実はこのTR-8でも再現されている。
★TR-8が持つサウンドキット
Bass Drum:808 / 909 / 808ロングディケイ
Snare Drum:808 / 909
Low Tom:808 / 909 / 808CONGA
Mid Tom:808 / 909 / 808CONGA
Hi Tom:808 / 909 / 808CONGA
Rim Shot:808 / 909 / 808CLAVES
Hand Clap:808 / 909 / 808 Maracas
Closed Hihat:808 / 909
Open Hihai:808 / 909
Crash Symbal:808 / 909
Ride Symbal:808Cowbell / 909 Ride Symbal
例えばTR-808ではRim ShotとClavesが切り替えになっていたがTR-8でもその部分は踏襲し、同時に鳴らす事が出来ない設計になっている。
またすべてのサウンドにDECAYパラメーターを搭載し、オリジナルより幅広い音作りが可能。コレはRolandが本来のTR-808/909の音をACBで示すとともに、ユーザーがそれぞれ持つTR独自のサウンド(経年劣化によって変化されたサウンド)を再現する為でもある。さらにBDとSDだけはワンノブで操作できるコンプレッサーを搭載。アクセントと併用すればとんでもないパンチーなサウンドになる。
なお、ここで注意しなければならないのは各サウンドの音量設定。全てのフェーダーをMAXにしてしまうと、TomはCymbal系が聴こえにくくなり、Rim ShotやCow Bellは耳に痛くなる。現場では操作感の良いボリュームフェーダーで素早く調整しよう。
2:4in 13ouのオーディオインターフェースとして使える
AIRAシリーズはすべてUSB端子を備えており、外部機器との同期に必要となるMIDIクロックの送受信はもちろん、96kHz/32bit内部演算で生成されたTR-8の出力をそのままMac/PCへ送ることも可能。DAを介さずに転送できる事のアドバンテージは計り知れない。しかも、USBオーディオは各インストのパラ・アウト(4in/14out)を実現。DAWと同期させたTR-8の音を録音し、各インストの音を個別にMac/PCの大画面で編集することも可能。
※2014年3月4日加筆修正。内部演算は96kHz/32bit、オーディオインターフェースは96kHz/24bitです。
3:オリジナルの揺らぎまでも再現したシーケンサー。
TR-808のプリセットの1番には808キットで作られた、アフリカ・バンバーター”Planet Rock”を彷彿とさせるパターンが入っている。誰もが耳にした事があるであろうあのリズムパターンには実は秘密があった。
RolandがACBによってTR-808のシーケンサーを再現し、そのグルーブを解析したところ、グリッドにたいして一部2msec程度の揺れが検知されたという。ACBテクノロジーはそんな技術者でも気づかない部分まで再現しているから驚異的だ。
当然現在の技術ならタイミングを100%ジャストにする事も可能なので、「オリジナルの揺れ」と「ジャスト」のどちらをデフォルトにするか同社でアンケートを取ったところ、全員一致で「揺れ」が採用されたという。理由はいつまでも聴いていられるグルーブだからとの事。
徹底的なデジタル制御と耳に依る判断を併せ持つところがAIRAを生み出した職人っぷりを匂わせる。またスケールを示すラインはオリジナルTR-808と同じで、4×4拍子は上から3段目となる。
ステップは最大でAB合わせて32ステップ入力可能だが、もちろんLAST STEP設定によって16以下にも設定できる。
パターン演奏中にリアルタイムに切り替える事が出来るのでスタッター的なキックの連打によってブレイクを送出する事も可能だ。
またシャッフル機能はTR-909から大きく進化。しかもノブで前乗り後乗りを自在にコントロール出来る。
センターにはクリックがあるので戻すのも簡単で安心。例えば808と909でシャッフルを変える事でジャンルもエレクトロから一気にハウスにする事も可能だ。実際にNew Jack Swing的なノリやシカゴハウス的なノリ単純なノブ操作で再現する事ができた。
TR-8はレコーディングモードと再生モードをシームレスに行き来できる。またレコーディング方式はTR-RECだけでなくリアルタイムレコーディングに対応能。
タイミングは自動でクオンタイズされ、また間違えてもすぐにそのインストだけをリアルタイムに消去もできる。
4:ステップ入力できるエフェクト
TR-8はReverbとDelayを搭載。これらはステップに入力し、レベルやフィードバックをツマミで調整する。Delayはテープディレイをモデリングしたもので、掛かり方にはかなり癖がある。DJミキサーなどに付いているディレイとは全くの別物なので扱う際には注意が必要。しかしBPMに連動しないこのアナログ感はなかなか味わいがあり、そのエグイフィードバックは上手く使えば個性的なサウンドになるだろう。
またエクスターナル入力に掛けられるサイドチェーンも搭載されている。こちらは8種類の掛かり方から選んで使用するタイプのため直感的操作で軽めのダッキングからバリバリのEDM系サウンドまで幅広く使える。
例えばNative Instruments TRAKTORからシンセやボーカルをUSB経由でTR-8を送ればDJプレイにも応用が効くだろう。
5:ライブで抜群の破壊力「Scatter」
内部音源をリアルタイムでサンプリングし、ズタズタに切り裂き、さらに逆再生やフィルタリングによって音をまき散らす、ライブパフォーマンスに最適な機能。単調なパターンに予想外の展開をもたらし、一気に盛り上がりを作ってしまう程のインパクトを備えている。
この手のサウンドはDAWで複数の処理をして作り上げるものだが、これがダイヤルを回すだけで出来てしまうのは驚き。予想不能なサウンド変化はダイヤルを触っているだけでインスピレーションを高めてくれる。勿論こちらもエクスターナル入力に対応。入力ソースとTR-8自身の音を同時に処理するので歯切れの良い躍動感ある効果が得られる。是非現場で活用した機能だ。
AIRAシリーズのお問い合わせは、AIRA Rock oN Lab.にお任せ!
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