動画追加! AIRA Rock oN Lab. TB-3 TECHNICAL REVIEW !







30年の時を経て新しいインターフェースと96kHz/32bit浮動小数点演算サウンドで蘇ったTB-303改めTB-3!

テクニカル動画を追加!!

三回目のサマー・オブ・ラブを引き起こせ!!
〜AIRA Rock oN Lab.所長ACID渋谷による徹底レビュー!〜

1:96kHz/32bitの解像度とACBの究極のコンビネーションサウンド

部品から回路を丸ごとをモデリングし、各部品の動作状態までも再現するACBサウンド。まずはオリジナルTB-303に搭載されていたノコギリ波と矩形波のサウンドを聴いてみよう。ファーストインプレッションは「新品のTB-303」。96kHz/32bit内部演算によるレンジの広さやクリアさは勿論だが、TB-303ユーザーには「ノイズが無いTB-303」と言えば分かり易いだろう。紛れも無いTB-303サウンドながら、上に抜けるような高域感とS/N比の良さは、「良い意味での」違和感だった。

TB-3にはオリジナルには無かったサウンドプリセットが合計134種類、A/B/C/Dの4つのバンクに用意されている。バンクAの1~2番以外は全てエフェクト込みのサウンドとなっている。ちなみにA11はバリバリのディストーションが掛かっており、かの有名な改造303を彷彿とさせるサウンド。

303とディストーションの組み合わせには改造でもギター用コンパクトエフェクターでも「ノイズ」が付き物だったが、こちらはノイズ無し。ここまでアグレッシブ且つ抜けの良い303サウンドは他では聴けないだろう。

リード系もベース系も96kHz/32bit内部演算で驚くほどキレのあるサウンド、ピッチの連続可変においてもカットオフ周波数の変化においても極めて滑らか。これまでのアナログモノシンセとは明らかに異なるハイレゾの恩恵を受けたサウンドはTBファンならずとも心を動かせるだろう。ちなみに私はかつてRolandがTB-303のクローンマシンとして発表していたMC-09を2台所有していたが、それに搭載されていたリードなどのVAサウンドとはキャラクターは全くの別物。レンジ感や質感、フィルターの掛かり方など大幅に向上しているのが分かる。MC-09サウンドはまた別の魅力があって好きだったが。

★TB-3プリセット〜バンク毎のサウンド傾向〜

A:オリジナルのノコギリ波と矩形波にエフェクトを加えたサウンド 26種
B:オリジナルから大きく発展した「BASS」と言う概念で作られたサウンド 51種
C:オリジナルから大きく発展した「LEAD」と言う概念で作られたサウンド 40種
D:オリジナルから大きく発展した「SFX」と言う概念で作られたサウンド 17種

B〜Dは割と攻撃的で現代のダンスミュージックシーンに合わせたサウンドという印象。プリセット毎に割り振られたエフェクトは変更出来ない仕様になっており、エフェクト込みで1つのサウンドとして成り立っている。

エフェクトの種類はディストーション、リバーブ、ディレイに加え、SP-404sxに搭載されているようなビットクラッシャーなど効果が分かり易い、言い方を変えれば即戦力系のものが良いされている。エフェクトのコントロールは「EFFECT」というツマミ一つでコントロールするが、ディレイやリバーブのタイムの設定は無くセンドレベルのみのシンプルな構成になっている。ツマミを絞りきれば自然にエフェクト音消える仕組みになっている。

TR-8もそうだがAIRAシリーズに搭載されたエフェクトはパフォーマンスに特化されたものと言える。

2:生まれ変わった感圧センサー付きインターフェース

★サウンドエディット用ツマミの違い

TB-303:「TUNING」「CUT OFF FREQ」「RESONANCE」「ENV MOD」       「DECAY」「ACCENT」

TB-3:「CUT OFF」「RESONANCE」「ACCENT」「EFFECT」

始めてTB-3を見た時、タッチパッド型インターフェースは勿論だが、ツマミの少なさに驚いた人も多いだろう。TUNINGはまだしもアシッドサウンドの要となる「ENV MOD」「DECAY」のツマミが用意されていない。それはXYパッドの中に埋め込まれているのである。パッドに埋め込む事によって、例えば左手で「CUT OFF」、右手で「ENV MOD」「DECAY」と言った具合に三つのパラメータを同時にコントロール出来る。

★タッチパッドで出来る事
 KEY BOARD:クロマチック配列のキーボードプレイ。押し込みでモジュレーション
 XY PLAY:縦(X)がピッチ演奏、横(Y)が音量。押し込みでモジュレーション
 ENV MOD:縦(X)がENV MOD、横(Y)がディケイ。押し込みでモジュレーション
 PTN SELECT:パターンの選択(複数、ジャンプ、逆順など)
 SCATTER:スキャッターエフェクトのデプスをコントロール

パッド部分は非常に明快な操作を可能としている。オリジナルTB-303の打ち込みは難解だった為に、それなりの熟練を必要としていたが、TB-3には「KEYBOARD」モードがあり、選択するとパッドにクロマチック配列のキーボードが表示される。感度が非常に良好でミスタッチはあまり起きない。

またキーボードの左右に表示される緑の部分はオクターブ設定になっており、プラスマイナス1オクターブを切り替えられる。XYプレイでのピッチの連続変化は驚くほど滑らか。感圧式でモジュレーションを掛ける事も出来る。押し込みは少々力を込める必要があるが、モジュレーションは繊細なため、予期せぬ動作を防ぐ為の仕様と言える。

XY Playをシーケンサーに記録する事は出来ないが、そこはTB-3はあくまで演奏するための楽器であって、同社のMCシリーズの様なグルーブマシンではないからだという。私はその潔さに賛成しながらも将来的なアップデートにも期待したい。

3:オリジナルを踏襲しながら圧倒的な自由度を見せつけるシーケンサー

ACBモデリングによってTB-303の一番の魅力と言われていたシーケンサーのグルーブ感を完全再現。シャッフルも簡単でTEMPOを押しながらノブを左右に回すだけ。プラスマイナス50という幅広い値で設定可能だ。TR-8の909キットを組み合わせればもうバッチバチ。そして今回新たにノートのリアルタイム入力も可能になった。タイミングは自動でクオンタイズされるのでずれてもグルーブ感は乱されず、逆に面白いフレーズが期待出来る。

また8分三連譜もSTEP RECを押しながらTEMPOを押すだけで一瞬で設定可能。これほどまでに簡単に打ち込めるのはTB-303の方式からしたら驚異的。TB-303の取り説は一度が楽譜に起こして打ち込む事を勧めていたほど。

しかし一方オリジナルインターフェースの入力の難しさを逆手に取ったサウンドも存在した。めちゃくちゃに打ち込んだパターンは機械的ながら催眠的な独特なグルーブを産み、アシッドハウスが誕生した。今回のTB-3にもそのサウンドを踏襲する「ランダマイズ機能」が搭載されている。「PTN SELECT」を押しながら「SCATTER」を押す事で何度でもシーケンスのランダマイズができる。ノート以外のアクセント情報等もランダイマイズされるため、予想不能なグルーブが飛び出してくるぞ!

従来通りのステップ入力もノート以外のパラメータが視認できるので分かり易い。パッド脇の四隅にClear/Rest、ACCENT、SLIDE/TIEと表示されており、緑色に光る事でそのパラメータの状態を確認出来る。ステップの場所確認は本体上部の16個のLEDで行う。ステップの選択はVALUEノブでも出来るのでステップを戻りたい時に非常に便利。LAST STEP設定は1~32ステップまで設定可能。例えばラストステップを3に設定し、ステップ2にスライドを入れてディストーションを掛ければ、後はぶっ飛ぶだけ!

またパターン再生の自由度も従来と大きく異なる。タッチパネルを採用した事によって自由自在なチェーンが組める様になっている。例えば8個のパターンがあるとすると、1235876など指を滑らせるだけで、なんと再生順のジャンプや逆順が設定出来てしまうのだ。再生順に自由度に持たせる発想自体は、インターフェースにパッドを選んだ後に生まれたという。テクノロジー先攻なのが非常に面白い。

4:次世代に向けられたScatterとオーディオI/F

AIRAシリーズ全機種に搭載されたUSBファンクションでPC/Macにサウンドの取り込みが出来る。TB-3のオーディオインターフェース機能を使って96kHz/32bit内部演算で生成されたサウンドをそのまま取り込み、DAWで更にユニゾン等のエフェクトを掛けても面白いだろう。またDAWでライブをする人も現場にPC/MacとTB-3だけ持って行けば、自作のトラックのアシッドバージョンを奏でる事が出来る。

※2014年3月4日加筆修正。内部演算は96kHz/32bit、オーディオインターフェースは96kHz/24bitです。

またSCATTER機能は8種類、10段階のDEPTHで使用できる。種類はVALUEツマミ、DEPTHはタッチパッドで行うため両手で同時に変更できる。TR-8のSCATTERより種類は少ないが、この辺の自由が高められている。深めのリバーブごとSCATTERにかれば、大規模な空間で目を閉じてフィルターの開閉に耳を傾けていたクラウドが爆発するだろう。


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