• 2013.01.10

Native instruments CEOが自ら語る「過去、今、未来」Daniel Haver氏に直撃インタビュー!


1996年、革新的なコンピューターによるリアルタイムな音声合成技術を世界に広めるべく立ち上げられたNative Instruments。1stプロダクトの『*GENERATOR』で証明された技術力の高さとミュージシャン視点の使いやすさはその後REAKTORに引き継がれ、その礎の上に今「KOMPLETE」「MASCHINE」「TRAKTOR」という3つのプロダクトの柱を持ちます。

    *GENERATOR
    後にREAKTORに継承される、モジュラーによるリアルタイムな音響合成技術を使ったソフトウェアシンセサイザー。

特別資料:「年表で振り返るNative Instruments史」(クリックで拡大します)

2012
・KONTROL S2
・KONTROL F1
・MASCHINE MK2
・MASCHINE MIKRO MK2
・KOMPLETE 8
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    2013年現在、Native Instrumentsは成長期を迎えてから十数年が経ち、同社は総勢約320名以上のスタッフをベルリンとロスアンジェルスの法人に持ち、今もなお発展を続けていますが、この度、満を持して日本法人としてNative Instruments Japan 株式会社が発足しました。

    そんな折りに遥々ベルリンから来日を果たした同社CEOのDaniel Haver氏がRock oNにご来店。私たちのインタビューに応えてくれました。CEO自らが語る歴史と未来への展望をぜひご覧ください!

History – 未知への挑戦 -

◉Native Instruments設立のきっかけは?
90年代初頭、こハードウェアベースのシンセサイザーに限界を感じていたStephan Schmitt氏(創始者)が、PCベースのソフトウェア音源の自由度や可能性を感じとり、Volker Hinz氏と共に96年にNative Instruments社(以降 NI)を創立しました。

◉「PCベースソフトウェアでシンセサイザーを作る」という発想をひらめいたきっかけは?
ちょうどその頃Intel Pentium CPUが出始めた時期で、その(当時として)強力なCPUパワーによって、ソフトシンセサイザーのリアルタイムな操作が可能となったことが大きなきっかけとなりました。

◉DAW草創期の1990年代後半に、ソフトウェアインストゥルメンの開発がビジネスにつながると判断できた理由は?

このビジネスが成功するまでにどれほど時間がかかるのか?当初その予測もできず不安な気持ちを持っていた事はたしかです。会社を運営する予算にも限りがあり、株主から苦言を呈されることもありましたよ。

でもCPUの進化に伴うマシンパワーの飛躍的な向上により、「私たちのやりたいことは必ずできる」という可能性を信じていました。そしてPCの成長を信じて耐え、KOMPLETE2が世界的にヒットした時に今のNIの方向性がを決め、ここまでやってきました。

Now – 止まらぬ歩み -

◉NI ベルリン本社のことを教えていただけますか?

2001年にDJソフトウェアTRAKTORがヒットしてからNIは急成長を果たし、現在本社には総勢280名のスタッフが在籍しています。そのうち50%はセールス&マーケティング部門に携わり、残り50%がテクニカル(技術/開発)部門に携わっています。この中のR&D(研究&開発)はプロダクトカテゴリ、デザイン、ハードウェア等多岐にわたり専門チームがいて、日々新製品の開発をおこなっています。このテクニカル部門のTopが私の右腕として働いてくれているMATE GALIC(マテ・ガリク)が、開発リーダーとして私と共に新プロダクトのコンセプトの発案などを行っています。

◉ソフトウェア開発で始まったNIは、2005年のKOREの登場でハードウェアとソフトウェアとを融合させた設計が実現しさせました。NIにとってハードウェア製品を開発することはどういう意味を持つのでしょうか?

直接手で操作することができるハードウェアは音楽制作にとってとてもパワフルな存在です!しかし…ハードウェアだけで完結してしまう製品は時代に取り残されてしまうと思います。そこでPCソフトウェアの利点を取り込み、次々新しいものを足して進化していけるような製品を私たちは作りたいと思っています。今はMASCHINEコントローラーに代表されるインターフェースの開発に熱心に取り組んでいますよ。

Future – 未来に掴むもの -

◉ベルリン、ロスアンゼルスに引き続き、日本法人を立ち上げたきっかけは?

その答えはとてもシンプルです。私たちが日本のユーザーのより近くに行きたいと願ったからです。この日本には多くのNIファンがいることは以前から知っていました。大きなマーケットであることはもちろんですが、製品をベストな形で流通させて、ファンの方のクリエイティブの力になれれば光栄です。

◉MASCHINE For iOSのような、iOS関連製品は今後も登場しますか?

ええ。ただし詳細はまだ秘密です。

◉KOMPLETEシリーズは次々とNewプロダクトが加わり、さらにBigプロダクトへと進化していくのでしょうか?

「Yes」とも言えますが、それ以外の方向性も考えていますよ。ただこれ以上は秘密です。言えることとしては、(KOMPLETEに限る話ではありませんが)NIはエントリーユーザーが気軽に音楽を楽しめるうような製品はもちろん、プロフェッショナルミュージシャンに向けた業務用ハイエンド路線もしっかり視野に入れています。これからの展開に期待していてくださいね。

◉NI製品の3本柱『KOMPLETE』『MASCHINE』『TRAKTOR』は今の段階ではそれぞれが別の製品として際立っていますが今後この3シリーズの展開はどうなるのでしょうか?

『KOMPLETE』『MASCHINE』『TRAKTOR』。そのどれもがNIを代表する主力製品ですが現在言えることは「今年はこの3つがひとつになる」。この事だけはお伝えいたしておきましょう。これが今のNIのテーマともなっています。

◉最後にDanielさんから日本のファンに向けてメッセージをお願いします!

以上、Danielさんへのインタビューをお送りいたしました。NIが創業された時の苦悩と決心や、ベルリン本社のこと、そしてこれからのNIについて。貴重なお話を沢山伺うことができました。時代の最先端を突き進むNIの製品開発力やそれを実行する勇気はこれからも増々パワーアップして私たちを楽しませてくれる事でしょう。

そして気になるのは、最後のアンサーとして飛び出た「KOMPLETE、MACHINE、TRAKTORが一つになる」という衝撃的なニュース。NIの快進撃はまだまだ続きそうです。

★ Native Instrumentsの3本柱『KOMPLETE』『MASCHINE』『TRAKTOR』のことがもっと分かる特集記事はこちら!>
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