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2014年7月14日 新製品, ,

現場を意識し、必要な機能にフォーカスしたオーディオ・インターフェース、Audient iD22の実力に迫る!!


様々なオーディオI/Oがリリースされる今。時代はより多機能方向へとシフトしていると感じます。それを踏まえた上で、優れた音質で有名なASP8024等レコーディングコンソールで実績のある英国のブランドAudientより登場したUSBオーディオI/O「iD22」をご紹介いたします。

Rock oNスタッフが実際に使用して徹底レビューしますよ。シンプルな外見からは想像出来ないほどの多機能さと優れた音質で、エンジニア方面からじわりじわりと評価が上がりつつあるこのオーディオI/Oの実力はいかに!?


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まずはAudientというブランドのご紹介から始めましょう。

経験と歴史に裏打ちされた確かな技術を持つAudient

audientはDavid Dearden(デイビッド・ディアデン)とGareth Davies(ガレス・デイビス)によって1997年に設立されたプロオーディオブランドです。

audientの作るコンソールは、ビートルズでお馴染みの「アビーロード・スタジオ」、ピート・タウンゼントの「イールパイ・スタジオ」、フロリダ州の「フルセイル大学」など数多くの有名なスタジオに導入され、音楽業界の歴史にも深く関わっていると言えます。

これらのスタジオでAudientはアナログオーディオとデジタルコンバートの両方で高い技術を証明してきました。

Audientは「クラス最高峰の革新的なプロ機器を求めやすい価格で提供する」ことを基本理念としています。

そしてそこに「専門的な技術的知識がなくても、スムーズに音楽製作ができる製品を開発すること」という理念も加わり登場したのがこのUSB2.0オーディオI/O、Audient iD22です。

ここからはその実力を徹底解剖してみましょう!

価格帯を超えた高品質なサウンド。秘密はAD/DAチップにあり

iD22を試聴してまず皆さんが驚くポイントはその出音の良さでしょう。試聴した方からも「同価格帯製品と比べるとその差は歴然」という声を多く聞きます。

実際に試聴すると評判通り。ステレオイメージが非常に大きくセンター位置が明確に出てくる。そして超高域までスムースに伸び、なおかつ必要十分なボトムエンドの量感。抜け落ちることのない中域の情報密度。この価格帯でこの品質を実現していることに驚きます。

その理由はiD22のAD/DA回路がディスクリートであるということと、AD/DAチップであることに理由があります。

◉ AD/DAセクション

iD22は、Burr-Brownの中でも最高クラスのPCM4220をADCチップに使用しており、ダイナミックレンジは123dB、A-weighed計測時は120dBです。ADCのフロントエンドには最新型のNJM8080Gオペアンプを採用しており、これもローノイズである理由の一つです。

DA部分はBurr-Brown PCM1798 DACという、最上クラスのDACチップを採用しています。また、IVコンバーターのオペアンプにはADC部と同じNJM8080Gを採用。回路上に余計なシグナル・パスが追加されていない為、DACからバッファ/ラインドライバーを通ったピュアなサウンドが出力されるという仕組み。

iD22より上の価格帯のインターフェース数機種(所謂高級オーディオI/Oと呼ばれる部類の機種です)でリスニング比較をしましたが、そこでも定位感、解像度でひけをとることはありませんでした。こればかりは実際に文章でお伝えすることに限界はあるので、実際に聴いて頂くことが一番だと思います。是非、店頭のRock oN Companyのリファレンスルームにて、その実力を体感してみてください!!

エルゴノミックデザインを意識し、全ての機能に手が届くフロントパネル

こうして写真で見ても、ややスラントした前面パネルは手の収まりも良く、全ての機能に直感的にアクセス出来ることを第一に考えていることが分かります。
シンプルなノブ、ボタン構成は求める機能を素早く、直感的にコントロールすることが可能です。

◉ センターセクション

やはり一番に目に飛び込むのはセンターに位置する大きなノブ。お察しの通、iD22はモニターコントロール一体型のレコーディング・インターフェースです。DIM、CUT(ミュート)スイッチも配置されており、重要なモニタリングコントロールを直感的に操作可能です。また、アルミノブの質感も高く、タッチ・フィーリングも的確です。

◉ クラスAディスクリート・マイクプリアンプ

iD22には、全世界で50,000チャンネル以上使われている audient コンソールと同じマイク・プリアンプを2基搭載しています。

マイク・プリアンプ回路にICチップを使用せずディスクリート・トランジスターを採用しています。ハイパス・フィルター、PADスイッチ等、レコーディングに必要不可欠な要素は全て備わっており、サウンドは透明で、ローエンドからトップエンドまで余すとこなく収音するマイク・プリアンプといった印象。録音後のEQやコンプレッサーの効きも段違いでしょう。

実際にアコースティック・ギターをリボンマイク、コンデンサーマイク、ダイナミックマイクと定番機種を用いて録音してみました。この価格帯のオーディオI/O付属のマイクプリだとどうしても気になってしまうのは、高域ばかりが強調されてしまい、ローの質感が薄くなってしまうことです。

しかしこのiD22のマイクプリはクリーンでありつつも、ローからトップエンドまで量感たっぷりのリッチなサウンド。妙な音痩せが全く感じられません。リボンマイクは太く、コンデンサーは速く、ダイナミックは力強く…。本当にマイクのキャラクターを素直に表現してくれるマイクプリだなと感心しました。

◉ 用途に合わせフレキシブルに!3つのファンクション・ボタン!

そして便利なのがこの左に位置する3つのファンクション・ボタン。

iD22はこのボタンに各種機能をソフトウェアミキサー上から割り当てることが可能です。例えばスピーカーのAB切替、トークバックスイッチ(マイクはチャンネルにアサインする必要があります)等、レコーディング、ミキシングで必要な機能を全てこの3つのスイッチに集約することが可能です。

Rock oNのイチオシはこのファンクション・ボタンにモノラル機能と位相反転をアサインすること!

これにより、センターの音を打ち消し(Mid)、Sideの音のみのモニタリングが出来ます。つまりM/Sモニタリングが可能でリバーブやディレイのかかり方の確認に抜群の威力を発揮します。

必要な機能が集約されたリヤパネル

次に、リヤパネルを見て行きましょう。こうしてみると、非常に分かりやすくまとまっていますが、可もなく、不可も無い造り。一体どこが優れているのでしょうか?

◉ マイクプリ部分をスルー出来るセンドリターン

多くのiD22と同じ価格帯のインターフェースは、マイクとライン部分が共有となっています。iD22もそれは同じで、コンビ・ジャックが搭載され、TRSはライン入力、マイクプリアンプはマイク入力となっています。しかし、外部マイクプリアンプやアウトボードを接続する場合、これでは必ずプリアンプ部分の回路を通ることになってしまい、音色変化がついてしまいます。勿論、それもキャラクターになり得るのですが、ピュアなADコンバーターとしては成立しないポイントであるとも言えます。

しかし、iD22はセンドリターン端子のリターン部分からのダイレクト・インサートが可能であり、マイクプリ部の音色変化を一切受けること無く、ピュアなADコンバーターとしても使用可能なのです。結果、良質な音をクリアーに取り込めるということになります。プロエンジニアのこだわりや要求するポイントがしっかりと抑えられていますね。

◉ アナログ4out, ADAT in/out等、基本を抑えた構成

例えば、アウトボードのコンプレッサーをかけてモニタリングする。スピーカーのAB切替。ADAT端子を利用したI/Oの拡張 等。しっかりと基本的な部分を抑えたハードウェア構成は見た目にも分かりやすく、そして考えぬかれています。

CUE送りからファンクション・ボタンの設定、ルーティングマトリクスはiD22ミキサーでコントロール

シンプルかつ柔軟な設定が可能なDSPミキサーソフトウェア

DSPミキサーソフトウェアにはモニターコントロールの他、CUEミックスを2系統搭載。それぞれ異なる2つのミックスバランスを送ることが可能です。

また中央下部のセクションで上記したファンクション・ボタンのアサインをします。スピーカーのAB切替として使用する場合にボリュームのトリム機能がアクティブになることも大きなポイント!本当にユーザーの「ここをもっとこうしてほしい」と思う部分がよく分かっていますね。マイクは付属してはいませんが、トークバック機能も内蔵しているので、コントロールルームとのコミュニケーションもバッチリです!

右側のルーティング・マトリクスでは、DAW MIXという選択ボタンがありますが、これは内部DSPミキサーをスルーして、直接出力する設定です。これにより、内蔵DSPミキサーにありがちな、アウトボードに音を送り、戻す時に発生するフィードバックを防ぐことも出来ます。

自宅に収まるセンターセクションとして、プロの仕事にも対応出来るプロダクト

実際に試してみて、Audient iD22は非常にシンプルで必要な機能にのみ的を絞ったオーディオI/Oだということが分かりました。しかしシンプルな外観からは想像出来ないルーティングの柔軟性、モニターコントローラーとしての資質も兼ね備えています。フロントパネルのボタンの反応も素早く、ミュートやスピーカー切替がワンテンポ遅れる等の煩わしさを感じることも皆無でした。

プリアンプ部分をスルーして、ピュアなADとしても使用できること、ADATを使った高い拡張性等、業務で必要な要点は全て抑えているところも好印象です。派手な機能にはこだわらず、UKのプロオーディオブランドならではのフィジカルでアナログな部分にもこだわりを持った質実剛健さ。この辺りが玄人に好まれる性能/仕様なのでプロエンジニアのための「+もう一台」として十分オススメできます。
サウンド面において同価格帯製品の中で極めて高い性能を持つので、初めての1台や買い替えの2台目にもGoodですよ。

Rock oNではデモ機も用意していますので、音質、価格、使用感と高い次元まとまったこの英国ブランドの気品と資質を是非手に取り、是非体感してみてください!!


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