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Rock oN 座談会!Rock oN AWARD 2013受賞製品についてスタッフが独断と偏見でしゃべり尽くす!
2012年のベスト製品を投票で決めるRock oN Award2013は、下記の各賞に決定!その結果を元にRock oNスタッフ有志4名で座談会を開きました。個性的な4人4色のトークにあなたも参加した気持ちになって、ぜひお楽しみください。
総合トップ3
・GOLD賞
・SILVER賞
・BRONZE賞
・Popular Award:最多得票数を獲得した製品に贈られます。
・Tech Award:先進的で優れた技術を持つ製品に贈られます。
・Software Award:最も優れたDAWもしくはPlug-Inに贈られます。
・Sound Equipment Award:最も優れたマイク、アウトボード、ミキサー等に贈られます。
・Accesary Award:最も優れたケーブル、スタンド等のアクセサリーに贈られます。
・Instrument Award:最も優れたハードウェア音源、デジタル楽器に贈られます。
竹本:まずは昨年一年間に出てきた製品について、みなさんの感想や思いを聞かせてください。
洋介:そうですねぇ、プロダクト全体的に万遍なく、新しい技術が出てきたという印象ですね。
年明け早々からUniversal Audio APOLLO、秋にはPro tools HD Native Thunderbolt、そして年末にはCubase 7と。
前半年は既存の技術をブラッシュアップしたようなプロダクトが多くて、後半は全く新しいアプローチの最新技術を搭載したものが目立ったかなと感じました。
佐々木:最大のトピックはThunderbolt製品の登場でしたね。
あとはArturia Miniblute、Roland Integra 7、Novation Mini Novaのように新しいシンセサイザーがどんどん出てきたのも予想外で嬉しかったなあ。
でもハイエンドアウトボードで特別に目立ったものが無かったのが少し寂しかったかも。
竹本:次は私ですね。APOLLOの登場から話題になったThunderboltが大きかったです。これも含め(音響機器としては)新しいフォーマットが台頭してきた一年だと感じました。あとはMackie DL1608やLine 6 M20dのように、新しいチャレンジに踏み切るメーカーが多かった印象があります。「このプロダクトをどう使っていくのかという提案」にまで踏み入ったプロダクトが、これからさらに熟成してくるんだろうなと期待できた年でした。じゃあ最後にeStore店長はどうでした?
富田:あ、はい。2012年は「オーディオI/Oイヤー(Year)」だったと思います。新製品の数も多かったし、そこに投入された新技術や注目度の高さとか。あとは個性的な製品が多かったと思います。卓上平置き型のコンパクトものも沢山ありましたね。
それとこのジャンル以外は各メーカー「他にはない」って感じの独自性を持ったものが例年になく目立った気がします。みんな言ってますけどAPOLLO、DL1608、M20dが代表ですね。あと番外編でBKE Beat Thangも他にはないセンスで個人的にイチオシです(笑)
竹本:ではさっそくいきましょうか。Sound Equipment AwardはEarthworks「QTC40」が受賞しました。
洋介:どうしてQTC50じゃなくてQTC40だったんだろう?
竹本:カスタマーが選ぶっていうのがこのAWARDですから。価格設定も結果につながったかと。
竹本:洋介さんはエンジニア飛澤さんのスタジオで「録りたい素材に最適なあなたのマイク選びをお手伝い! ver 2012」のレコーディングに立ち会いましたよね。Earthworksを含めて可聴域を超える収音ができるマイクを何本か試しましたが、印象を伺えますか。
洋介:うん。厳密にAB比較をした訳じゃないんですけどね。高域が伸びれば伸びるほどリアリティが深まるっていうか。可聴域を超えると「聴こえない音」って言われてるけど、そうじゃなくて「感じてる音」としては聴こえてると思うんですよね。ハイビット/ハイサンプリングが進んでいく中で、こういうマイクの優位性が認められ始めてきたとも言えるかもしれないですね。
富田:ハイディフィニションマイクといえばSanken CO-100Kは100kHzまで収音力ってこれすごい。
佐々木:CO-100kは29万円を超える価格だから一般ユーザーにはまだちょっと遠い存在かな。
洋介:CO-100kもだけど、QTC40は無指向性ですよね。ステレオマイキングの中でも一番奥の深い、使いこなしの幅のある無指向が選ばれたのは、非常に興味深いですね。昨年、DPAセミナーで深田さんがマイキングについてのヒントをいろいろと語ってくれたのおぼえてる?あれは録音をする方必見ですよ。
※To give a depth of recording – DPA Microphone Seminar – Part 1
※To give a depth of recording – DPA Microphone Seminar – Part 2
洋介:QTC40は無指向性ですよね。それが選ばれたっていうことで、この賞へは録音上級者が投票したんじゃないですかね。
洋介:このカテゴリの製品については思うことがいっぱいありますよ。他のノミネート製品でいえばKSDigital Coaxシリーズですね。musikelectronicやADAMのようなハイエンドモニタースピーカーとは違う切り口で、同軸のコンパクトサイズが特色。新しいジャンルのハイエンドモニターだと思います。
富田:コンセプトが良かったですよね。小スペースで小音量で聴くための設計っていう。
洋介:あとは、従来のA帯B帯以外の2.4GhzのいわゆるBlurtooth帯と呼ばれる帯域を使った、デジタルワイヤレスが一気に台頭してきた。
一同:そうそう。
洋介:Line 6、Shure、AKG、SONYなど各社から精力的に製品がリリース。中でもSONYの復活が印象的でしたね。
竹本:この2.4GHz帯のモデルは低価格なので、個人でもハイクオリティーなワイヤレスが導入しやすい環境になりましたよね。
佐々木:これまで選択肢が少なかったからね。
竹本:CraneSong AvocetにADAM AXシリーズなど他のノミネート製品を押しのけて「Apogee Symphony I/O」!
富田:発売から2年も経っているのにいまだ人気が衰えませんね。昨年末に2×6モデルが出てさらに人気が加速。
佐々木:Ensembleに迫る価格だものね(¥198,000)。このSymphony I/Oみたいに、一つのプラットフォームに対してこれだけ長期間開発が行われていて、発売当初からスロットを使った拡張性の高さを持っている製品は少ないですよ。さらに年を追うごとに使いやすくなっているし。
竹本:BIGBENやROSSETAを組み合わせて使っていたユーザーさんから「Symphony I/O 1台に買い替えて、Apogeeの進化を肌で感じた」っていうレスポンスももらったんですよ。それも一人や二人じゃない。
佐々木:Apogeeは新製品を出す時、前モデルの形を変えるだけじゃなくて、アナログ回路やソフトウェアも含めて一段階レベルアップさせてリリースさせるんですよ。
洋介:最終的には熟練したエンジニアが耳でチューニングしているって話とかね。詳しくはApogee本社からRock oNに来店されたRogerさんの記事を見てください。
竹本:宣伝ありがとうございます(笑)
佐々木:勝因の一つに、MacからFirewireが無くなっているときにUSBを採用したっていうのもあると思うな。
竹本:やっぱりきたか、という印象です。発売依頼大人気!在庫切れでお待たせしてしまっている「Roland Integra-7」!
(お待たせしてしまい、申し訳ありません)
竹本:Rolandの過去の音源資産の凝縮という形で鳴り物入りでリリースされました。
佐々木:はっきりとデータを取った訳じゃないけど、長年クリエイター職をしている人が買っていくと思う。
洋介:今までJVシリーズや、XVシリーズを手足のように使い込んでいた人が真っ先に買って頂いているという事ですね。
富田:もちろん過去の音資産でもあるんですけど、私は”SUPER NATURAL音源が入ったラックのモジュール”、最新の音源という捉え方をしてますね。
竹本:ここであえてハード音源を選ぶ理由って何なんでしょうね。
佐々木:ハードウェアにはそれぞれに音の個性や空気感があるから、ミックスの中で混ぜてもその個体として際立つ、って言うユーザーさんもいるよ。
竹本:USB端子が付いているんだから、ACCESS VirusみたいにVSTiとして立ち上げられたりしたらさらに良くなるね。そこが要望です。
洋介:僕はRSSの搭載っていうのに注目したい。登場した時には一歩先を行く業界全体を驚かせたプロダクトだったけど…。Integra-7がリリースされるまでは、実際忘れてました(笑)。映画業界がサラウンドを縦方向に立体的に拡張しようという流れや、バイノーラルサウンドに注目が集まる中、2chでの空間拡張技術RSSが復活したのは嬉しいな。
竹本:これは候補がいっぱいありました。その中でMAGMAが受賞した理由は?分かりきっているとも言えますが…
洋介:フルスペックのAvid Pro Tools HDXがラップトップやiMacで使えるようになった初のプロダクトだからね。その証拠にMAGMAユーザーはHDXユーザーが圧倒的に多い。TDM世代のHD1のカードであればExpressCard Busで動く1Slotシャーシっていうのもあったので、モバイルしようと思えばできたんですけど、、、複数のカードを使わないとパワーやインプット数が足りないということもあって現場にマッチしなかった。それがいまやフルパワーのHDをモバイルできるんだから、これはすごいことですよ。
洋介:アクセサリーといえば言わせてもらいたい製品があるんだけど…
一同:どうぞどうぞ。
洋介:KORG DS-DAC-10。DSDプレイヤー。
一同:あー!
洋介:最近Webとか見てると、一般それもリスナーの方面からDSDって言葉が出てくるようになってきた。DSDの盛り返しを感じるし、遂にCDを超えるフォーマットが定着するのか、という期待もあって。
佐々木:KORGでDSDといえばClarityの動向も気になりますね。(*「Clarity」はKORGのDSDソフトウェア、Audio Gateをベースにマルチトラック化したDAW。製品化の予定はないとアナウンスされています。詳しい情報はこちら!>)
富田:「iTunes DSD」みたいなのができて、一般のリスナーが聴きたい曲が気軽に買えたら、このフォーマットはもっと普及するでしょうね。
洋介:既にWebでのDSD Fileの販売は始まっているし、制作側ももっとどん欲に最高音質を目指して欲しいと思うし、どうせMP3とか言わずに、最高レベルのサウンドを作って欲しいな。
竹本:これまでの流れでこれだけThunderboltが注目された中、USBの製品です。
佐々木:ずっとRMEが取り組んできたStedy Clockや、IntelのFPGAのUSB制御のパケット処理にに左右されないタイミング処理技術。あとパワーサプライにも工夫があって、入ってきた電源を一旦内部でチャージしてから利用しているとかね。明確な設計思想が形になっていてるからこその評価だよね。
竹本:クラス・コンプライアントでiOS機器にも使えるっていうのも新しい。
佐々木:これもさっき言ったのと同じで、iOSの影響を受けずにオーディオクオリティを保つ技術が使われてる。
洋介:UCXが出てきて「お、仕事でiOSが使えるかな」と思わせてくれました。
竹本:あと、RME(代理店Synthax Japan)は制作サイドだけでなくて、PCオーディオリスナーへのアプローチもうまいよね。ドライバの設定みたいなことからSteady Clockの解説までWebページにすごく詳しく書いてあるしね。
富田:事実上、iOS対応の最高音質I/Fですから。
一同:それ言える。
竹本:irisはどんな音が出てくるか分からないっていう魅力がありますね。Rock oN Mailmanコラムを書いてくださっているTomyTomyさんもセミナーで紹介いただきました。
佐々木:この間のRock oNセミナーを見たんだけど、iZotopeは他に類を見ないって感じの”尖った製品”ばかりだよね。
富田:これは従来あった音響解技術を新しいアプローチといえますね。
洋介:ソフトシンセでは最近革新的なものって少なかったけど、その中でこのirisが出てきた。これを機にソフトシンセ業界で変化が起きそう。
竹本:今後の進化に期待ですね。ほかに音響解析系でいうとRoland R-MIXやZynaptiq、SPECTRALAYERS PROも面白い。
洋介:Zynaptiq UNVEILは入ってきた音を解析するだけじゃなくて、それをAIに考えさせるっていう方法論が新しかった。それにしっかりと音のクオリティーがついてきている。
竹本:別名「佐々木賞」!(笑)
佐々木:はい。Arturia Minibluteはイチオシでしたから。これは良い!この仕様、質感なのにこの値段(¥52,800)。それからプリセットがないアナログシンセというのもたまらないね。
竹本:画面を見ながら階層深くまで入っていってサウンドエディットするシンセが多い中でこれは潔いですね。
富田:Moogとかと比べると決して太い音ではないんですけど、オシレーターで4種類のの波形をミックスできたり、Brute Factorっていう倍音を過激に出す歪みツマミがあったり。派手な音が出せるアナログシンセという印象です。
洋介:ちょっと意地悪な質問をしてみようか。アナログシンセって、ソフト音源じゃだめ?
竹本:直接触って楽器を演奏するっていうのはリアルなシンセサイザーでないと。
洋介:じゃあハードウェアだったらデジタルシンセでもいいんじゃない?
佐々木:鍵盤が付いててツマミずらりっていうのはMinibluteだけじゃないかな。楽器として良くできてる。
洋介:よし分かった。じゃあMinibluteは「基本に忠実で楽器として成立しててアナログシンセをローコストでリアルに体験できる」って言えるわけだね。
佐々木:最後にうまくまとめましたね(笑)
竹本:Rock oN Ustream放送にも使ってます。始めはこれのためにiPad1台を専用されちゃうっていうのにちょっと遠慮ぎみだったんですが実際に使ってみると、ソフトウェアベースっていうことがうまく活きていて、シンプルにも複雑にも使えた。ハードウェアがやるべきこととソフトウェアがやるべきことのアイソレーションがきれいにできていて、操作が非常に分かりやすかったです。
佐々木:これだけ「ミキサーって何?」っていうことが理解しやすいミキサーって他にないと思うな。ツマミが縦にならんだアナログミキサーよりも分かりやすいかもね。初心者でも全然理解できる。
竹本:例えば若い人はタッチパネルの操作に慣れているからマニュアルを見なくてもある程度扱うことができる。ミキサーを知らない人が使うのに適してますよ、これは。
佐々木:iPadを使った製品て他にもありますけど、実はiPAdが無くても使えたり、実はiPadの拡張だったり。DL1608ほどiPadを統合しちゃってる製品って無いですね。
竹本:iPad無しだと動かない製品って開発側は勇気が必要だと思いますよ。
佐々木:実は2Mixのレコーディングができるのにステレオペアリングができない、っていうところもあるんだけど、それはアプリのバージョンアップで改善されることが期待できる。
竹本:ソフトウェアベースの強いところですね。それは。
富田:この製品はPVも良くできてますよ。あの気合いの入れようはMackieの本気を感じました。
洋介:Mackieはマーケティングうまいよね。
竹本:VLZ、Onyxと流れがあったところ、そこから脱却して「ミキサー」の存在自体を考え直すようなDL1604を発表。すごい英断だったと思いますよ。
洋介:さらに魅力的なのが、マイクプリ16ch付いてるところ。今、ミキサーを使いたい現場ってマイクが並んでる所だと思うから。
佐々木:うん。このサイズでだよ。しかもクオリティーは定評あるMackieのプリ。現場を選ばないストライクゾーンの広さを感じる。
竹本:昨年末に登場しましたね。Steinberg製品のアップデート情報は聞いてたんですけど「まさかCubase 6から7への一つのアップデートがここまで大きなものになるとは驚き」っていう声をたくさん聞きました。実際持ってる人いたよね?
富田:僕です。青木さんのRock oNセミナーを見て6から.5を飛び越えて7にしました。始めはコードトラックに注目してたんですけど、実際に使うとそれ以上に、進化したミキサーがたまらなく便利だと実感しました。特にお気に入りがミキサー画面のエージェント機能で、これを使うと今見る必要のないチャンネルが非表示になって、必要なチャンネルだけにすぐアクセスできます。今作っている曲は40トラックほどあるんですが「あれー、あのチャンネルどこだ?」っていうストレスがかなり減ってます。だから夢中になって朝までやっちゃう。今眠いです。
洋介:じゃあコードトラックはあんまり?
富田:いやいや、あれもすごいです。コードトラックの話になったんでちょっと言わせてください。あの機能は決して初心者向けじゃないです。勝手に作曲してくれる訳じゃなくて、ワークフローを簡略化できたり煮詰まった時のガイドとして使うものだと思っています。コードの知識が0だと使えない。だから僕、Cubase7を買ってからもう一度コードの勉強をし始めました。やっぱり眠い。
洋介:そのコードトラックでVari Audio2のオーディオデータを制御できるっていうのもすごい。アレンジャーさんが「試しにこのコードしてみたら」なんていうのをオーディオファイルですることができる。仕事レベルでの使う事の出来るレベルで、ものすごく強力に「音楽を作る」作業をサポートしてくれる。
竹本:エントリーから玄人まで幅広く対応できるDAWってことですよね。DAWの機能がどれも同じようになって行く中で、Cubaseとして、制作ツールとして一歩踏み出した感じですね。
富田:みなさん、Cubaseセミナー見ました?あれ絶対見てくださいよ。それでCubase 7買ってください。
佐々木:それで全員寝不足だろ?(笑)
洋介:個人的な感想だけど、YAMAHAとSteinbergが一つになってからはじめてお互いの意思の疎通がうまくいった製品かな、って思います。
富田:なんか分かります。それ。
竹本:ではいよいよGold、Universal Audio Apolloです!2012年初のNAMMで発表されてからずーっと売れに売れ続けています。
洋介:出た!
竹本:2012年秋にThunderbolt Optionカードもリリースされてさらに勢い付きましたね。Gold受賞ということですが担当の佐々木さん、感想は?
佐々木:Apolloの前からあったUADプラグインの品質や人気、Tunderboltフォーマット、1176時代からのアナログアウトボードメーカーとしての評価の高さ。こういう要素が全部一つになって、しかもオーディオI/Oとして、っていうのが勝因じゃないかな。
洋介:それに補足すると、「DAWはしない」っていうUA社が、アウトボードメーカーとして持っている明確なビジョンのままやれることを全てやったっていうね。UADプラグインと言えばヴィンテージアウトボード系のシミュレーションとして評価されてるし、サードパーティーとのリレーションも見事。DSPを使い切る魅力的なプラグインがどんどんリリース、それを実現するソフトウェアの開発も素晴らしいね。
佐々木:先進性という意味では同じカリフォルニアのApogeeとかぶるんだけど、住んでる世界や行こうとしている方向が違うよね。
富田:時代の潮流に乗ったってことですかね。
竹本:NAMM2012で発表、Thunderbolt接続できます!って言ってもう実機が稼働してましたよね。あれは驚きました。
洋介:ですね。
竹本:ユーザーの顔がちゃんと見えてて開発してるなあっていう印象ですね。単純にオーディオI/OにUADを入れただけじゃなくてリアルタイムでUADプラグインを使えたりね。
富田:そういえば今回のRock oN AwardはオーディオI/Oが3つも受賞してるんですよ。
洋介:オーディオI/Oイヤー、だっけ?言ってたよね。これだけ評価の高い、カラーも違うオーディオI/Oをユーザーが選べるっていう環境があるのは面白いよね。
佐々木:3者とも出音も違うからね。機能とコンセプトも好きだけど音が合わなかったら選ばないだろうし。
竹本:Universal AudioがDSP開発を行った時点から描いていた10年の夢が3者の中でも多くのユーザーに評価されたということで異論はないですね。
洋介:もちろん、ですね。
洋介:今回受賞製品にエンタープライズ(業務用)関係が無いね。ちょっとしゃべりたいな。
竹本:どうぞどうぞ。
洋介:Cubase 7のところでDanteって言葉が出てきましたけど、このDanteを採用したYAMAHA CLシリーズのコンソールがSR業界ではBigヒットしてます。一つのI/Oボックスを複数のコンソールで持ち合えるっていうのは現場に大きな衝撃を持って受け入れられましたね。
ネットワークオーディオがついに現実のものとして、現場で稼動を始めた年になったという事ですね。
洋介:それからサーバーでGB LabsのSpace。去年一年間だけでヒット製品にまで登り詰めた衝撃のプロダクト。Pro Toos 10で実現した、ネットワークストレージへの対応、RAIDと行った、業務に使用する為のソリューションが、一気にコストダウンを始めている。今年は、オーディオにもこの流れが来るんじゃないかと思ってます。
もう一方では、クラウドも進んでいますけど、LTEなんかも登場して通信スピードも上がっているのでデータをもっと集約しての、新しい管理スタイルが始まる予感も。リスニング音楽の分野でのiTuneとiCloudはもう主流になりつつあるけど。そういったWebサービスとかが業務レベルでも浸透するプロダクトが登場するんじゃないかな。
佐々木:SR関係の製品って応募あった?
竹本:ありましたよ。Line 6のStageSource L3tとか。
佐々木:SRスピーカーか!
富田:もちろんパワードのSRスピーカーなんだけど、スピーカー自体にDSPが内蔵されててギターアンプとしても使えたりね。「Line 6 EXPERIENCE」コーナーにあるL3tでギター弾いたりV-Drum叩くと気持ち良いんですよねえ。家にほしい。
佐々木:さすがにあのパワーでは鳴らせないでしょ(笑)
竹本:他、SR関係のトピックってありました?
洋介:InterBEEでもラインアレイスピーカーの展示が目立っていたように、SR系は繊細で品のあるサウンドのスピーカーがどんどん登場して革新的に進歩しているわけだから、全体的なハイビット/ハイサンプリング化が進んでほしいね。いろいろとハードルがあるのはわかるけど、全て24bit/48kHzっていうのはちょっとね…
竹本:これからに期待ですね!
竹本:ちょっと話を戻しますよ。他に印象に残ったプロダクトは?
洋介:MADIの問い合わせも多くなってきてますよ。CPUパワーが上がってきたことで1つのシステムで多チャンネルが使えるようになって、膨大なチャンネルを手軽に扱えるMADIとかが求められ始めているね。
佐々木:そういう意味でRMEは一般層にはUCXが評価されたけど、業務シーンではHDSPe MADI FXが評価されたということかな。
洋介。そう言えますよ。MADI、Dante、あとはREACみたいなEther Audioについて勉強したかったら、PROCEED Magazineの最新号に書いてるから、、、たしかP16からだったはず。
富田:勉強しまーす。
洋介:Danteの対抗規格、RAVENNAも要チェック。メーカの独自規格だけど32000チャンネルを扱えるMEDIORNETとか。
竹本:2013年、これから発売になるPrism Sound Lyraの登場でAVBの話題ももっと出てくるでしょうね。
洋介:ネットワークオーディオは基本的にAVBのレーヤーの中で開発されているのが多いんだけど、規格が固まってどんどんプロダクトが登場すると今までとは違ったシステムアップが出来るようになるよね。
竹本:これからに期待ですね!
竹本:じゃあそろそろ総評を。まずは佐々木さん。
佐々木:すごくソフトウェアが発展している中でハードウェアが豊作でしたね。それはこのAwardの受賞製品を見ても分かりますけど。
洋介:ニーズが多様化してますよね。制作するもののクオリティっていうのが配信向けからエンタープライズ向けのもの、さらにはDSD!まで、プロが手がける作品の幅の拡がりを感じましたね。富田:ある特定のジャンルの人がそれ専用の機材を使うんじゃなくて、好きなものを選べるようになったんですよね。24bit/96kHzが当たり前にもなった。iOSでもハイクオリティーなI/F我使えるようになったり、デジタルオーディオの基本クオリティがアップした年とも言える。
竹本:そうですねiPadや低価格帯の機材での環境がクオリティアップし、ユーザーの裾野が広がった年でもあったんじゃないでしょうか。
洋介:今年のNAMMも新製品が多いようなので楽しみですね!!
佐々木:もうすぐですね。
洋介:次のステップはマイクやスピーカー。処理を行う部分のクオリティーを使い切る為の音の出入り口の見直しも必要になってきていますね。新製品に期待します。
※今回でなんと15回目を迎えるRock oNのNAMMレポートは、Rock oNならではの鋭く深い視点で、会場の熱気や新製品情報を、スピーディなTweet、動画や写真でのディープかつシャープなwebレポートにてお伝えします!
「Rock oN Company ショー・レポート!NAMM 2013」特集ページはこちら!>
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